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一生賃貸はリスクがあって後悔する? メリット・デメリットを詳しく解説します

賃貸住宅で家賃を払い続けることに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。一生賃貸で暮らすことにはメリットもありますが、その一方でデメリットもあります。本記事では、一生賃貸と持ち家のそれぞれの利点と欠点を詳しく解説します。ライフスタイルに最適な住まい方を見つけるための参考にしてください。

一生賃貸で暮らす人は多い?

一生賃貸で暮らす人の割合はどのくらいなのでしょうか?国の統計データによると、60歳以上の無職世帯では、持ち家率が93.1%と非常に高く、賃貸に住み続ける人は約1割程度にとどまっています。つまり、高齢者の大多数は持ち家に住んでいるのが現状です。

しかし、最近では世代間で住宅に対する価値観が変わりつつあります。特に若い世代を中心に、持ち家を持たないという価値観が広がりつつあるのです。これには、ライフスタイルの多様化や経済的な理由が影響しています。例えば、転職や転勤が多い人にとっては、賃貸の方が柔軟性が高く、生活の変化に対応しやすいでしょう。

このような背景から、今後は一生賃貸で暮らす人の割合が増加すると見込まれています。特に都市部では、賃貸住宅の需要が高まると予想されます。

参考:家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)Ⅱ総世帯及び単身世帯の家計収支|総務省統計局

一生賃貸を選ぶメリット

一生賃貸で暮らすことには、以下のようなメリットがあります。

住宅ローンの負担がない

賃貸住宅を選ぶ大きなメリットの一つは、住宅ローンの負担がないことです。

持ち家を購入する際、多くの人が住宅ローンを利用しますが、これは大きな借金を抱えることを意味します。ローンの返済は長期間にわたり、収入が減少しても返済を続けなければならないため、経済的なプレッシャーが大きいです。

一方、賃貸住宅に住むことで、こうしたローンの返済から解放されます。収入が減少した場合でも、家賃の安い物件に引っ越すことで月々の支出を調整することが可能です。

引っ越しの自由

賃貸住宅の大きなメリットの一つは、引っ越しの自由があることです。ライフスタイルの変化や環境に応じて、比較的容易に住み替えができます。例えば、転職や結婚、子どもの誕生や進学など、人生のさまざまなイベントに合わせて住む場所を変えやすいです。

また、周辺環境や隣人との関係に問題が生じた場合でも、賃貸ならば気軽に引っ越せます。収入が減少した際には、家賃の安い物件に移ることで月々の支出を抑えることも可能です。

賃貸住宅はライフスタイルや経済状況に応じて柔軟に対応できるため、多くの人にとって魅力的な選択肢となっています。

固定資産税の負担なし

持ち家を購入すると、土地や建物に対して毎年固定資産税や都市計画税が課されます。これらの税金は新築時が最も高額で、経年とともに減少しますが、完全にゼロになることはありません。

一方、賃貸住宅に住む場合、これらの税金は貸主が負担するため、入居者は支払う必要がありません。そのため、持ち家と比べて税金面での負担が大幅に軽減されます。

メンテナンス費用の節約

賃貸住宅を選ぶメリットの一つは、メンテナンス費用を節約できることです。持ち家の場合、内外装の経年劣化や設備の故障が発生した際には、自分で修繕費用を負担しなければなりません。特に築年数が経つと、水回りなどの大規模な改修や設備の更新が必要になることもあります。

一方、賃貸住宅では、共用部や建物設備のメンテナンス費用はオーナーや管理会社が負担することが一般的です。例えば、給湯器が故障した場合でも、修繕費用は貸主が負担するため、入居者は大規模な修繕や設備の更新費用を心配する必要がありません。

一生賃貸を選ぶデメリット

持ち家を購入せず、一生賃貸で暮らすことには、以下のデメリットもあります。

継続的な家賃支払い

一生賃貸で暮らすことは、老後も含めて生涯にわたり家賃を支払い続ける必要がある点が大きなデメリットと言えます。

持ち家の場合、住宅ローンを完済すれば月々の返済負担はなくなりますが、賃貸住宅では生涯にわたり家賃を支払い続けなければなりません。例えば、月10万円の家賃を20年間払い続けると、合計で2,400万円もの支出になります。

特に老後は、年金収入が主な収入源となるため、家賃の支払いが大きな負担となることがあります。収入が減少した場合、家賃の安い物件に引っ越すことも考えられますが、高齢者は入居を拒否されるケースもあるため、簡単にはいきません。

リフォームの制限

賃貸住宅ではリフォームに制限があり、自由に間取りの変更や設備のアップグレードができない点も大きな制約となるでしょう。

一般的な賃貸住宅では、契約条件として「原状回復」が求められます。これは、退去時に室内を入居時と同じ状態に戻すことを意味し、壁に釘を打ったり、間取りを変更したりすることは基本的に許可されません。

また、バリアフリー化や大規模なリフォームも自由に行えないため、住環境に不満があっても我慢するか、引っ越しを検討する必要があります。近年では、リフォームを許可する「DIY可物件」も増えていますが、簡易的な工事に限られることが多いです。

資産形成の機会損失

賃貸住宅では、将来的に資産としての価値を得ることができないため、資産形成の機会を逃すことになります。

賃貸物件は借り物であり、いくら家賃を支払っても自分の資産にはなりません。持ち家の場合、住宅ローンを完済すればその住宅は自分の資産となり、将来的にその価値が上がる可能性があります。

一方、賃貸住宅では、家賃は純粋な出費であり、資産としての価値を持ちません。長期間にわたって家賃を支払い続けると、その累積額は大きくなり、「同じ金額をローン返済に充てていれば、持ち家を購入できていた」という状況になることもあります。

高齢者の入居難

年齢が高くなると、収入が減少し、家賃の支払い能力が低いとみなされることが多いため、新たな賃貸物件への入居が難しくなります。特にリタイア後は年金が主な収入源となり、現役時代のような収入を維持するのは難しいです。

また、単身や夫婦二人暮らしの高齢者は、孤独死のリスクが高いと考えられ、オーナーが入居を敬遠する傾向があります。このため、家賃の安い物件に引っ越そうとしても、年齢を理由に入居を拒否されるケースが増える可能性があります。こうした背景から、高齢者にとって賃貸住宅の契約は難しくなることが多いです。

持ち家のメリット

持ち家を購入した場合のメリットは、以下の4つが挙げられます。

資産形成

持ち家の大きなメリットの一つは、資産形成ができることです。住宅ローンを完済すれば、その土地と建物は自分の資産となります。賃貸住宅のように家賃を支払い続ける必要がなくなるため、老後の固定費を抑えることが可能です。

さらに、持ち家は将来的にその価値が上がる可能性もあります。住宅ローンの返済は家賃のように消えてしまうコストではなく、支払った分だけ資産として手元に残ります。また、持ち家をリフォームして賃貸に出すことで、家賃収入を得ることも可能です。持ち家は資産としての価値を持ち、将来的な経済的安定をもたらす可能性があります。

老後の固定費削減

住宅ローン完済後は住居費が大幅に減少するため、持ち家は老後の生活において大きなメリットとなります。

住宅ローンを完済すれば、毎月の返済負担がなくなり、固定資産税や都市計画税、マンションの場合は共益費や修繕積立金のみの支払いとなります。これらの費用はローン返済時に比べてかなり少ないため、老後の生活費を大幅に削減できます。

特に、退職後の収入が年金だけになる場合でも、住居費の負担が軽減されることで、経済的な安心感が得られるでしょう。老後の固定費を抑え、安定した生活を送ることが可能です。

自由なリフォーム

持ち家は好みや必要に応じて自由に改装やリフォームができるため、理想の住まいを実現することが可能です。自分や家族のライフスタイルや好みに合わせて、住まいをカスタマイズできます。

例えば、壁紙や床材の変更、間取りの大幅な変更など、自由に改装できます。一戸建ての場合、さらに自由度が高く、増築や減築、さらには建て替えも可能です。

持ち家は、家族の成長やライフスタイルの変化に応じて、住まいを最適な形に保ちやすいです。分譲マンションでも、専有部分に関してはリフォームが可能ですが、共用部分には制限があるため、一戸建てほどの自由度はありません。

安心感と社会的信用

持ち家は安心感をもたらします。自分の家があることで、将来の住まいに対する不安が軽減され、安定した生活を送れるでしょう。さらに、持ち家を担保にして融資を受けることも可能で、急にまとまった資金が必要になった場合でも対応しやすいです。

また、マイホームを所有することで、金融機関からのローン審査において「継続的な返済能力がある」と判断されるため、社会的信用が高まります。クレジットカードの申請や他のローンの審査でも、持ち家があることは信用力の証となるのです。

持ち家のデメリット

マイホームを持つことには、以下のようなデメリットもあります。

住宅ローンの負担

持ち家のデメリットの一つは、長期間にわたる住宅ローンの返済が必要なことです。住宅を購入する際には、頭金や諸経費などの初期費用が必要であり、これが家計に大きな負担となることがあります。さらに、住宅ローンを利用することで、利息が発生し、総返済額が大きくなるのもデメリットです。

例えば、住宅ローンを組むと、毎月の返済額に加えて利息も支払わなければならないため、最終的な支払い総額は借入金額を上回ることになります。そのため、長期間にわたって経済的なプレッシャーを感じることが多くなるでしょう。持ち家を購入する際には、このような住宅ローンの負担を十分に考慮する必要があります。

固定資産税の負担

持ち家を所有すると、土地や建物に対して固定資産税や都市計画税が課されます。これらの税金は毎年発生し、支払いを続けなければなりません。

また、火災や地震などの自然災害に備えるために、火災保険や地震保険への加入も必要です。これらの費用も含めると、持ち家の維持には定期的な支出が発生し、経済的な負担が大きくなることがあります。

メンテナンス費用

住宅を購入した場合、建物の維持管理や修繕にかかる費用を自己負担しなければなりません。賃貸住宅では、設備が故障した場合、管理会社や大家さんに連絡すれば修理・修繕をしてもらえますが、持ち家では自分で修理業者を手配し、費用も自己負担となります。

また、マンションの場合、共用部分のメンテナンス費用は毎月の修繕積立金から賄われますが、一戸建ての場合は、これらの費用を自分で貯めておく必要があります。内装や外壁の修繕、水回りの改修など、突発的にまとまったお金が必要になることもあるのです。

引っ越しの制限

賃貸住宅と比べて、持ち家は気軽に住み替えることが難しいです。ライフスタイルの変化や転勤、転職、家族構成の変化などにより住み替えが必要になった場合でも、住宅ローンの返済が残っていると、物件を売却してローンを完済する必要があります。

しかし、売却価格がローンの残債を上回るとは限らず、住み替えのハードルが高くなります。また、持ち家を購入する際には、将来のライフプランをある程度予測して決断することが求められますが、予測できない変化が起こることもあるでしょう。

一生賃貸or持ち家の選択を後悔しないために

一生賃貸か持ち家かを選ぶ際には、後悔しないために以下のポイントを抑えましょう。

・ライフスタイルや家族構成を想定する

・老後の経済状況を考慮する

まず、パートナーや子どもと暮らす場合、賃貸では部屋数や広さに制約があるため、住み替えが必要になることがあります。しかし、持ち家であればリフォームや改築を行い、家族の成長に合わせて住環境を整えることが可能です。また、持ち家は住宅ローンを組む際に団体信用生命保険が付保されるため、万が一の際にはローンが完済され、家族に資産として残すこともできます。

一方、一生賃貸で暮らす場合、老後に引っ越しをしようとしても、年齢や収入の減少を理由に入居を断られることがあります。特に、高齢者は賃貸物件への入居が難しくなることがあるため、老後の住まいについても計画的に考えなければなりません。

このように、賃貸と持ち家のそれぞれのメリット・デメリットを理解し、自分のライフスタイルや将来の計画に合った選択をすることが大切です。

「中古マンション×リノベーション」という選択肢

一生賃貸か持ち家かを選ぶ際に、もう一つの選択肢として「中古マンション×リノベーション」があります。中古マンションを購入し、自分のライフスタイルや好みに合わせてリノベーションする方法です。

リノベーションとは、既存の建物に大規模な工事を施し、内装や設備を新築同様かそれ以上に改修することを指します。この方法の大きなメリットは、理想の住まいを実現できる点です。

例えば、対面キッチンにして家族とのコミュニケーションを取りやすくしたり、ファミリー向けの間取りを一人暮らしに適した空間に変更することが可能です。内装をすべて解体してゼロから新たに構築するフルリノベーションを実施すれば、配線や配管などのインフラ部分を改善することもできます。

また、中古マンションを購入することで、物件の選択肢が広がり、立地や近隣環境を確認してから購入できます。もちろん、ローン完済後も住み続けることができ、定年退職の時期に合わせてローンを組めば、老後も安心です。リノベーションによってマンションの価値を向上させることで、優良な資産としても活用できるでしょう。

「中古マンション×リノベーション」は、賃貸暮らしのデメリットをカバーしつつ、理想の住まいを実現するための有力な選択肢の一つです。

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